恋戦乱


「椿にお願いがあるんだ」


おむすびを食べながら和成様がおっしゃる


「何でございますか?」


「うん、約束してほしい…」


あたしが首を傾げていると


頭にポンッと手を置いて


「何があっても…生き抜いてほしい。
例え…俺たちが帰らなくても。どこか遠くへ逃げて、生きてほしい」


「そんなっ…!!」


「俺たちは生きて帰る。
でも…もしもの時は、逃げろ」


「……


生きて帰るお約束をして下さい!!」



「椿!」


「でなければ、私は

この戦を止める覚悟です!!

ご無礼、お許し下さい。

しかし私は、お三方が生きて帰って来て下さらなくては…この戦の価値はないと思います!!」


「―…。

ふっ…俺達より、椿の方が強そうだ…」


和成様は少し笑っておられる



「お約束…して下さい。


生きて…帰ると」



< 64 / 101 >

この作品をシェア

pagetop