恋戦乱
夜になると、皆明日に備えて床についた
久しぶりに静かな夜だった
私は見事な満月を見ていた
すとん
隣に座ったのは龍様だった
「すげぇな」
「はい、見事な満月です」
龍様は目を細めて月を見据えていた
「龍様…」
「ん?」
「―…。
絶対に…帰って来て下さい」
あたしは無意識に膝の着物をギュッと掴んでいた
その手を龍様は上からそっと握って
「当たり前だろ…」
月を見つめたままおっしゃった
少し不安に思ったあたしは龍様を見つめていた
するとこちらを見た龍様
あたしの顔を見るなり
すっと抱き寄せた
「そんな顔すんな…
抑えらんねぇだろ…」
と、よくわからない事をおっしゃった
「龍…様…」
あたしは龍様の背中に腕を回した
戦に…行ってほしくないと…
思った