恋戦乱
夜になり龍様のお膳を運んでお茶を注いだりしていた
「おい!顔、どうした?」
「えっ?!」
あたしはふと近くにあった鏡を覗き込んだ
「あっ―…」
そこには
右目の下辺りが青黒くなっている自分がいた
しまった―…
「こっ、これは―…柱にぶつかってしまって!
申し訳ありません」
「―…。おい、下がれ」
「はっ」
部屋にいた家来の人達はみんな龍様のお声で出て行った
「椿…本当の事言え」
「ほっ、本当です!!」
「嘘つくんじゃねぇよ…」
龍様はあたしの顔に触れ
青黒くなったそこを
軽く指で撫でた
「申し訳ありません…私のどじで…お見苦しい顔をお見せしてしまって」
「―…おてんば」
「…おてんばではないですけど…
以後、気をつけます」
ふっと笑った龍様
だけど真剣な目付きに見透かされそうで恐かった
触れている手は暖かくて
お優しい