嘘、

昼休みと鍵

あれから図書室には行かなかった。

なんだか行けなくなった。

きっと心のどこかで『私じゃ駄目』だって思ってる。

あまのじゃく、だから。

素直になれない人は人と関わっちゃ駄目だ。

……自分が傷付くだけ。


だから私は暇潰しに屋上へ出た。

入学式の日、鍵は開いていることが分かった。

いつでも開いてるはず、だった。


「あれ?」


何度ガチャガチャしても開かない。

おかしいな。

今日は開いてないのかな。

と、私が誰にも分からないように落胆していると予鈴が淡々と鳴った。

仕方なくその場を離れることにした。

その後、静かに屋上の扉が開いたのを私は知らない。
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