嘘、
翌日、私はまた屋上へ行った。
でも扉は閉まっていた。
いつもこうなのかもしれない。
でも、屋上もダメで、図書室もダメだと、
私は何のために学校へ来ているのか分からなくなる。
確かに、学生の本分は学業だが、その次のもの。
普通の女子なら友達とワイワイキャイキャイ話すけども、
私は特にそんな相手がいるわけではないので、読書するしかない。
それより今は屋上だ。
開いてないのなら教室に戻るしかない。
そう思って扉から手を離し、帰ろうとしたときだった。
キィと静かに音を立てて扉が開いた。
開かれると、そこから人が一人出てきた。
「……あー……よく寝たぁ……」
大きなあくびをしながら背伸びをしつつ目の前の人物は言った。
女子だった。
しかも茶髪のロングの髪で、ふわふわ。巻いてるな。
制服はミニにしていて、上は……胸元はだらしない。少し締めて頂きたい。
見た目は可愛いのに、なんだかサバサバした人だ。
しかもスリッパが私と違う色。
それでいて、貴樹浩平とも違う。どうやら二年生のようだ。
そんな彼女は私に気付かなかったのか、スルーで私の横を通りすぎようとしていた。
私もそれでいいと思って屋上へ出ようとすると、彼女は振り返り、
「うわ!?あんた誰!?」
と、第一声。
「……そちらこそ。」
「いや私は……って、もしかして屋上の常連客?」
「……利用回数はこれで二回目ですけど。」
「二回、か。じゃあいっか。んじゃーね。」
そう言って彼女は今度こそ背中を私に向けて手を振って去っていった。
どうして彼女は常連かどうかを聞いたのかは分からないが、
別にどうでもいいだろうと思って記憶の隅に置いた。
そして屋上へと足を踏み入れた。