≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
微妙な幅 5cm。


ハルと社長の距離を後ろからフワフワと見ていた。


オレの視界は、ハルと社長の背中に焦点を合わせるのに精一杯で、

その他大勢の道行く人たちは、影のようにしか映らなかった。


大きな通りから、少し入った路地に茶漬け屋はあった。


のれんをくぐり、ガラッと引き戸を開けると、

これまた人の溜まってること。


さすがに茶漬け屋というだけあって、回転が早く、オレたちはすぐ席に案内された。



「んー・・・今日は何にしょうかな。」


ハルは、何度か来たことあるらしいセリフを呟いた。



「オレ、いつもの!」


社長は、もっと馴れてるところを見せつける。



オレは、かすむ目をしきりに凝らして、テーブルに置いてあったメニュー表を睨んだ。


「奥村、決まったか?」


んな、初めて来たのにそんなに早く決められるか!

でも、これ以上何かモノを見るのも面倒だ・・・


「あ・・・、じゃぁ・・・レギュラーで。」



「ココはガソリンスタンドじゃないんだから、そんなのあるか!」


社長は上機嫌のまま、オレにツッこんだ。

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