≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「おい!奥村!!」


オレは、次にまぶたを開くと、突然明るい空間の中に居た。


だが、今オレの見ている世界は斜めを向いている。


が、すぐに強い力で、掴まれている右腕をグッと引っ張られた。


その力により、オレは垂直な姿勢を取り戻した。



「ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・」



オレは相変わらず、立派に息だけはあがっていた。



「奥村、大丈夫か?!」



そう・・・オレを引っ張ってくれたのは竹田さんだった。


オフィスのブラインドの隙間から、明るい日差しが差していた。



「・・・朝・・・ですね・・・・」



オレの言葉に竹田さんは優しく笑って応えた。



「おまえ・・・海で溺れた夢でも見てたわけ?

すげ~もがいてたぞ!

イスの背もたれにシャツ引っ掛けてさぁ・・・」



・・・なんだ・・・それでシャツが取れなかったんだ。



「えぇ・・・あの・・・・

人魚だと思って近づいたら、サメだった・・・

みたいな夢でした・・・・」



「あぁーーーー、そら焦るわな~・・・・」



竹田さんは、いつもの健康茶に手をやったが、

中身がカラである事を思い出したらしい。



「奥村!コーヒー飲むか?」



イスから立ち上がろうとする竹田さん。
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