≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
第二章
見えない想い
「おはよう!」
早朝の学校のざわつきを、絵里香はキライではなかった。
汗ばみながらも、昨日とは違う新鮮な空気が漂う教室で、ミユやサツキと一緒に居ると気持ちがスッとした。
日々のちょっとした悩みも、2人に聞いてもらうだけで、なんでもない事のように思えた。
しかし今日は、どうやら話しの主役は決まっているようだ。
「エリー・・・おはよ・・・」
ミユは、少し困った様子で絵里香に挨拶を返した。
絵里香は、クラスではエリーと呼ばれていた。
それが彼女のニックネームだ。
ミユは、一瞬だけ絵里香に目を合わせたが、すぐにまた、
イスに座ってうつむきっ放しのサツキに目をやった。
サツキは顔を上げて、絵里香にオハヨーの挨拶をするでもなく、
ただジッと、うつむいている。
絵里香は不思議に思い、サツキの顔を覗き込んだ。
「サツキぃ、おはよっ!」