≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「クスクス・・・」
男の子が再び笑ったので、絵里香は眉をしかめて男の子を振り返った。
「どうして笑うの?」
やっと言えたセリフ。
「あぁ・・・ごめん・・・。長くこの世界に居ると人間の些細な考えというのが滑稽に思えるんだ。」
「滑稽・・・?」
絵里香は耳まで赤くなっていた。
「そこまで言うならちゃんと教えてよ!なんでアンタがここに居るのか!学校の子じゃない事くらい分かってるんだから!しかも『この世界』だなんて、使う日本語間違ってるよ!」
少しムキになって絵里香は喋っていた。
「ボクは天使だよ。」
絵里香は口をあんぐりと開けてみせた。
「あのー・・・今どきそういうギャグ流行らないんですけど・・・!」
しかし、男子はやさしい笑顔を変えなかった。
「ボクは嘘をつかないよ。」
シーンとする空気が一瞬だけ流れた。
「はぁっ・・・からかうんなら別の子にして!私、そういうしつこいギャグ好きじゃないから!」
絵里香はキュッと両眉を上げてみせた。
「キミならボクの言ってることが嘘じゃないってスグに分かるよ。」
「だから~・・・・」