≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ハチのクリーム色のモコモコとした毛をなでながら、絵里香はハチの顔を覗き込んだ。

ハチは絵里香が小学校に入学した年に、迷い犬を絵里香が保護したものだった。

雑種ではあったが、人なつっこく、クリッとした目がとても愛らしかった。

まだ子犬だったハチは、フワフワとした毛がぬいぐるみのようだった。

絵里香は、そんなハチが大好きになった。



「ハチ・・・ハチ・・・頑張ろうね・・・。ハチが元気ないと、私も元気が出ないよ・・・。」



絵里香はポロポロと涙を流した。


ハチは相変わらずグッタリとしたままだった。



絵里香は部屋に戻り、どうしたらハチが良くなるのか、もう一度犬についての本を本棚から取り出した。


本を取り出した瞬間、隣に立てておいた本がバサッと落ちた。


絵里香は落とした本をすぐさま拾い上げた。



『エンジェルナンバー・・・』



3日前に奇妙な金髪の男の子から強引に渡された本だった。



「今はアンタの出番じゃないの!」



そう言って、絵里香は緑色の本を本棚へ戻した。



「そうかな?」



突然、絵里香の背後で男の子の声がした。
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