≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
驚いた絵里香は、パッと振り返った。
絵里香の部屋に、先日の金髪の男の子が立っている。
「ちょ・・・ちょっと・・・・・なんで?・・・」
絵里香は今の自分の状況が判断出来ず、口をパクパクさせていた。
「キミが困ってるみたいだから、アドバイスをしに来たんだよ。」
ブルーの瞳が優しく微笑んでいる。
「・・・て、ゆーか・・・どうやって入ったの・・・?・・・」
絵里香は警戒モード全開だった。
「僕は天使だから、どこにだって行きたい時に行けるんだ。」
「と・・・とにかく・・・今スグ出てって!!」
絵里香はエアコンの効いた部屋に居たが、額から汗が流れてきた。
絵里香の怯える様子を察した男の子は、絵里香から少し離れた。
「大丈夫だよ。アドバイスをしたら帰るから。」
「・・・・・気持ち悪いよ・・勝手に部屋に入るなんて・・・こんな夜遅く・・・」
「キミの犬・・・随分具合悪そうだね。」
「・・・・・・」
絵里香は男の子を見つめたまま、机の上にある携帯に手を伸ばした。
突然の侵入者に助けを呼ぶつもりだった。
ただ叫んだだけでは、母親が飛んで来ても、男の子には負けるかもしれないと考えたからだった。
「コップ一杯の水に塩を小さじ3杯入れたものを飲ませてあげるといいよ。」