≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「うん、有り難う。」



その『あくまき』を絵里香が持ち帰ると、絵里香の両親は当然驚いた。



「お前が何かの拍子に絵里香に話したんだろう!」



「いいえ、私もその事をすっかり忘れていましたから、

てっきりあなたが絵里香にお話しなさったのかと思ったのよ。」



絵里香の両親は二人して首を傾げつつ、結論、偶然松風堂の店主から話しを聞いたのだろうという事で話しを終えた。




しかし、さらにその数日後には、また絵里香の両親は絵里香の発言に驚かされる事となった。





「パパ!!」



「ん?なんだ、絵里香。」



ゴルフに出掛けようと、靴を履いていた父の元へ絵里香は駆け寄った。



「パパ、今日ゴルフに行かない方がいいよ!」



「えぇ?ハハ・・・急にどうしたんだ。」



「今日は天気が悪くなるよ。良くない事が起こるよ!」



「心配ないよ!ゴルフで雨が降る事なんてしょっちゅうだ。

今日はコンペだから、パパがいかないと皆に迷惑をかけるんだ。

じゃぁ、行ってくるよ!」



「パパ!そしたらせめてお気に入りのクラブは置いていって!」



「ハハハ・・・心配性だなぁ・・・分かったよ!じゃぁ!」



父親の山田は、娘の言葉を真に受けずゴルフ場へと向かった。



絵里香の言葉通り、ゴルフ場の天気は後半から悪くなった。



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