≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「イヤだ・・・って言っても無理だよね・・・
みんなのタメだもんね・・・
そっか・・・無くなるんだ・・・・あの山・・・」
絵里香は母親の並べてくれた夕食の前に座った。
今日は絵里香の大好物のビシソワーズと牛ヒレ肉のステーキが目の前にあった。
絵里香は好物に機嫌を良くしながらも、先程のショックからまだ立ち直れないでいた。
食事を終え、絵里香は自分の部屋に戻った。
するとまた、いつもの声が後方から聞こえた。
「まさか、あのまま引き下がるつもり?」
「・・・引き下がるって?・・土地の事?」
いつもの天使の登場だった。
「そうだよ。」
「そんなの、私だってイヤだけど、大人が決めた事を子供が覆せるわけないじゃない!」
「何もせずに諦めるの?」
「沢山の大人が決めた事なの!私1人じゃどうにも出来ないよ!それとも・・・」
「それとも?」
「いつもみたいに何か対応策を教えてくれるの?」
絵里香はふくれっつらで天使に尋ねた。
「対応策・・・か。」
天使は珍しく黙った。
「ほ・・ほらね。あなたにだっていい考えないんでしょ!
だったら、なおさら私には無理だよ!」