≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「イヤだ・・・って言っても無理だよね・・・

みんなのタメだもんね・・・

そっか・・・無くなるんだ・・・・あの山・・・」



絵里香は母親の並べてくれた夕食の前に座った。

今日は絵里香の大好物のビシソワーズと牛ヒレ肉のステーキが目の前にあった。

絵里香は好物に機嫌を良くしながらも、先程のショックからまだ立ち直れないでいた。



食事を終え、絵里香は自分の部屋に戻った。

するとまた、いつもの声が後方から聞こえた。



「まさか、あのまま引き下がるつもり?」



「・・・引き下がるって?・・土地の事?」



いつもの天使の登場だった。



「そうだよ。」



「そんなの、私だってイヤだけど、大人が決めた事を子供が覆せるわけないじゃない!」



「何もせずに諦めるの?」



「沢山の大人が決めた事なの!私1人じゃどうにも出来ないよ!それとも・・・」



「それとも?」



「いつもみたいに何か対応策を教えてくれるの?」



絵里香はふくれっつらで天使に尋ねた。



「対応策・・・か。」



天使は珍しく黙った。



「ほ・・ほらね。あなたにだっていい考えないんでしょ!

だったら、なおさら私には無理だよ!」


< 149 / 348 >

この作品をシェア

pagetop