≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「そ・・そんな事出来るワケないじゃない!

ハチは家族だよ!」



「そうだね、普通そう思うよね。でもね、近所の人はどうだろう?

そのハチがキミの家族であろうと、どんなにキミが愛していようと、

動物は動物なんだ。みんなで奪い合って、その肉を食べ分けるだろうね。」



「そんな事・・・絶対許さない!絶対に!」



絵里香は拳をギュッと握った。その手は訝りで少し震えていた。



「でも、近所の人だけじゃないよ。きっと、キミのご両親も心を鬼にして犬を食らうだろうね。」



「それは絶対にない!!」



絵里香は大声で怒鳴った。



「いいや。絶対にある。なぜなら、キミは彼らの最も愛するモノだからさ。

最も愛するモノを守るためなら、人間は何でもするものさ。」



「ううん、ううん、パパとママは私が頼んだらそんな事しない。絶対にしない!!」



絵里香は頬の血をたぎらせた。



「人間は、愛するモノを『生かす』ためならなんだってする。なんだってね・・・

動物だけじゃない。同じ人間だって殺すし・・・勿論・・自分自身も死ぬことが出来るのさ。」




「何よそれ・・・何が言いたいの・・・あなた・・・天使でしょ・・・

よくそんな・・・残酷な事・・・言えるね・・・・」



天使が表情を変えることは全くなかった。

ブルーの瞳は天使の表情をより一層、クールに見せた。



「そう・・・まだ言葉に出来るうちに、止めることが出来ればいいと思ってるよ。

でも、実はキミだって・・・加害者なんだよ・・・絵里香・・・」




「私・・・私・・・何もしてない」

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