≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
絵里香は天使の言葉に頭が真っ白になっていった。



自分は違う・・自分は違う・・・自分は違う・・・



「何もしていない・・という事は、泥棒が物を持ち去っても、見逃してあげているのと同じ事なのさ」



「違うもん・・違うもん・・・」




絵里香は同じ言葉を繰り返すだけだった。



「現にキミは今日も牛の肉を食べたじゃないか」



「あれは・・・食用の家畜だもん・・・」



「ふーん・・・キミがその牛を養ったとしても同じ事が言えるかな。

養うと情が移るよね。キミの場合。しかも、その愛情込めて育てた牛をと殺する時はどんな気持ち?」



「もう、やめて・・・」



絵里香は泣き出した。



「そうやってキミたちは、毎日毎日この地球の愛する生物を神から奪い続けているのさ。

神はそろそろ、キミたち人間を許さなくなるよ。

自分たちの勝手で、地球のバランスを破壊し続ける人間を、このままのさばらせ続けると思うのかい?」



絵里香は黙って泣くだけだった。




「気付いたら、まず行動だよ。人間はまた、それが出来る生き物さ。」



---コンコン



「絵里香?どうしたの?」



絵里香の怒鳴り声を聞きつけて、母親が部屋へやってきた。


絵里香はすぐにドアを開けた。



「ママ・・ママ・・・世の中に食べ物がなくなったら、ハチを食べる?そんな事しないよね!」
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