≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
天使の優しい微笑みが、絵里香を波の中からゆっくりとすくい上げた。


絵里香の中で、天使の存在がゆるぎないポジションへと留まった瞬間だった。



「天使が・・・天使が私を助けてくれるの・・・?」



「そうだよ・・・絵里香。キミの苦しみは僕の苦しみ。キミの事は全て解るよ。」



「天使に共感してもらえて・・・ラッキーかな・・・」



「絵里香・・・僕の名前はナイジェル。キミだけに教えるよ。誰にも言わないで。」



「ナイジェル・・・」



「他の人に名前を教えると、僕の力が消えてしまうんだ。だから約束だよ。誰にも言ってはダメだよ。」



「うん・・・約束・・・誰にも言わない・・・誰にも・・・」




絵里香は夢の中で、更に夢を見るようにまどろんだ。



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