≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
神社の人間が、ハチに近寄るため、階段を下りてきた。



「どうしたんじゃ、そんなところで。」



ハチはその人が近づくと、2~3段下へ下りた。


階段を下りるハチを見ると、リードが付いたままになっている事に、その人は気が付いた。



「はて・・飼い主はどこに行ったんじゃろ・・・」



神社の人間は、パッッと犬のずっと先にある下方を見た。


階段の一番下で、全く動かなくなった女性が倒れているのが見えた。



「・・・若い者を呼んでこんといかんのう・・・」



しばらくして、50代くらいの男性が小走りで走ってきた。


階段の下の方で動かなくなっている女性を見て、顔をこわばらせた。


「あぁ・・・なんてことだ・・・」


男性は、階段を必死に下りて階段の一番下に着いた。


女性のそばでは一匹の犬が、飼い主の頬を心配そうにペロペロと舐めていた。


男が見た女性は、全身を強く打っている様子だった。



「と・・・とにかく・・救急車だ・・・」



男性は特に倒れた由利絵を動かす事なく、救急車を待った。


救急車が到着した時には、いつの間にかハチは居なくなっていた。


『犬がいない・・・だが・・・この人の状態を回復する方が先だ!犬は後で探せばいい!』


そう思い、救急車に乗り込んだ。






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