≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜


「帰るの?」


わざとらしいオレの発言。


本当は


『やっと帰るのかよ!』


が心の中でスポットライトを浴びているが、それはホントに心の中だけにしておける器量だけはある。



「うん。また来るよ!樹花もアンタをただ待ってるだけじゃ退屈だろうしねぇ~」



病室を出る間際に、アスカはそう吐き捨てながらオレに一瞬顔を近づけて、樹花を振り返った。


樹花は相変わらずニコニコしていた。



「アスカさん…有り難うございました。すごく、楽しかった!」



「こっちこそ!樹花の笑顔に癒されたよ!また、バイト頑張ろっと!」



そう言うと、・・・やっと、部屋から出て行ってくれた。




「フゥーーーーッ…」



いつもの場所を取り戻し、オレは溜め息をつきながらまだぬくもりのある椅子にかけた。すかさず樹花…



「どうしたの?ピカちゃん・・・仕事でナンかあった?」

< 16 / 348 >

この作品をシェア

pagetop