≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「帰るの?」
わざとらしいオレの発言。
本当は
『やっと帰るのかよ!』
が心の中でスポットライトを浴びているが、それはホントに心の中だけにしておける器量だけはある。
「うん。また来るよ!樹花もアンタをただ待ってるだけじゃ退屈だろうしねぇ~」
病室を出る間際に、アスカはそう吐き捨てながらオレに一瞬顔を近づけて、樹花を振り返った。
樹花は相変わらずニコニコしていた。
「アスカさん…有り難うございました。すごく、楽しかった!」
「こっちこそ!樹花の笑顔に癒されたよ!また、バイト頑張ろっと!」
そう言うと、・・・やっと、部屋から出て行ってくれた。
「フゥーーーーッ…」
いつもの場所を取り戻し、オレは溜め息をつきながらまだぬくもりのある椅子にかけた。すかさず樹花…
「どうしたの?ピカちゃん・・・仕事でナンかあった?」