≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「キミだけじゃないさ。


誰しも一度は人に言えない罪を背負っているモノさ。


うっかり虫を足で踏んで、殺してしまった事くらい、誰だってあるからね。」




「そっか・・・それも・・罪なんだ・・・」




絵里香は絵を見つめていた。



「人間とは、自分のやった事などスグに忘れ、棚に上げて人を責める。

それが、相手が動物や植物であるなら、ことさらそうさ。

でも、誰かが気付いて訴えてやらなきゃならないんだよ。

言葉が喋れるのは、人間だけだからね。

ほんのちょっと、当番をやったから・・とか、

落ちてたゴミを拾ったから・・とか、

そんな事くらいでは、

もう済まなくなっているんだ。

そんな事だけでは、もう地球は誤魔化せなくなっている。

そのうち、キミにも解るよ。

自分が本当に、何をしなければならないのか・・・ね。」



ナイジェルの言葉は絵里香の胸にいつまでも響いた。



『自分が本当に、何をしなければならないのか・・・』



絵里香の心の中に、昨日家で話題となったあの山を、

渡したくない・・という想いが、

再び込み上げてきていたのだった。
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