≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
しかし、先生から返ってきた言葉は、絵里香の期待を裏切った。
「先生も、詳しくは聞いていないの。
とにかくお父様から連絡があって、
迎えに行くとだけ伺っているの。」
絵里香の鼓動はとてつもない早さで動いていた。
『ママ・・・ママ・・・無事でいて!どうか・・・神様!お願い!!』
絵里香は休憩時間の、ざわつく教室で荷物をまとめ、
皆の視線を浴びながら、教室を後にした。
絵里香は校門で1人、父の迎えを待った。
「これだけは言っておくよ。」
後ろからまたナイジェルの声がした。
絵里香は振り返らなかった。
振り返る気力さえ、今は無かった。
「キミは選ばれている。この宇宙のシステムにね。
弱い者は黙って消されていくんじゃないんだ。
強い者は弱い者に支えられてはじめて、
『強い者』でいられるのだと気付くまで、
ただ、ジッと耐えているだけなんだ。
そうして、得意になっていた強い者は、
弱い者が本当に居なくなると、
強い者同士で今度は争いが始まる。
強い者が『強者』で居るためには
必ず対である『弱者』は必要不可欠なんだ。」