≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

絵里香はナイジェルの言葉を黙って聞いていた。



「この地球では、人間が強者だとすれば、


それ以外の生物は弱者だ。


その弱者が本当に居なくなった時、


今度は人間同士の争いが起こる。


生き延びるためのね。


その時初めて、人は『あの頃に戻れたら・・・』


なんて、バカなセリフを吐くのさ。」




「今は、そんな話し・・・しないで」




絵里香は弱々しく、低い声でそれを言った。



「いや、キミは知っておく必要がある。


なぜなら、これからキミに起こる出来事は、


すべて、神の啓示だからさ。


皆、あとになって『あの時、あの時…』というね。


今、まさにそれが出来るのがキミだからだよ。」




「ワケ分かんない・・・でも・・・・


それが出来たら、ママは大丈夫なの・・・?」




絵里香はやっと、天使の方を振り返った。


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