≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「・・・どうしてですか?・・どうしてママが・・・


ママに会わせてくださいっっ!


ママが・・・待ってる・・・・」




「あ・・今はまだ安静が必要です。検査の結果、脳内で髄液が漏れている事が分かりました。

今はどんな刺激も油断出来ません。」



そう言った医者を振り切り、

強引に集中治療室へ入ろうとする絵里香の肩を、山田はグッと引いた。



「絵里香やめなさい。先生の指示に従うんだ。


それが・・ママが助かる唯一の方法だ。」



絵里香は父の言葉に、動きを止めた。



「どうして?・・何があったの?・・なんでママが・・?」




「あの~・・・お取り込み中・・・すみません。」




涙ぐむ絵里香の目の前に、1人の男性が立った。


絵里香は涙で滲んだ目で、その男性をジッと見た。


年は父よりも少し若いように思った。




「こちらは第一発見者の方です。」




医師からそう紹介されると、その男性はペコリとお辞儀をした。


それに合わせて、山田も軽く会釈した。


先に口を開いたのは山田の方だった。




「・・妻は・・どこで・・こんな状況に・・・」



山田は静かに尋ねた。

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