≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜


「・・訴えてやる!もし、妻に後遺症などが残ったら訴えるからな!!

事故が起こる可能性があると分かっていながら、

その問題を放置していたという事は、

管理者の怠慢だ!!

私はあんたを許さんぞ!!」



まるで火山が爆発したかのように、


山田は口から火を吐いているようだった。



「いや・・・その・・・・」



酒見は、返す言葉が見つからずオロオロしていた。


酒見の中でも、今謝れば、こちらが非を認めてしまう事になる。


しかし、石段にすべり止めの件は、この神社の歴史を考えると、


昔からの情緒が無くなると思い、保留にしてきた。


まさか実際にこの様な事故が起こるとは、思わなかったのだ。


未だ責め立てる雰囲気の山田の勢いに、


割り込んで来たのは絵里香だった。




「あの・・・神主さん・・・」




酒見は、特に返事はせず、絵里香に目をやった。



「ハチは預かってもらっているんですか?」


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