≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

崩壊

「今日・・サツキ来てないね・・・」


1時限目の課外授業が終わると、絵里香はミユの席まで行き、空席のサツキの机に目をやった。



「うん・・・」



ミユは、絵里香の言葉に返事はしたものの、英文法のノートだけを眺めていた。



「ミユ、サツキにメールしてみた?」



絵里香は、今どきの高校生にしては珍しく、ケータイを持っていなかった。



「・・・したけど・・特に返事ないし・・」



ミユは、絵里香に視線を送ることなく応える。

今日のミユは、どことなくよそよそしかった。

2時限目が英文法のテストのため、ミユも神経質になっているのだと、絵里香は思った。



「そっか。ごめんね、追い込みのトコ邪魔して・・・。後で話そうね。」



絵里香は、ミユに対し

『そんなコトないよ、大丈夫だよ』

と、いつものように笑って絵里香を見てくれる事を期待した。

しかし、やはりミユは絵里香を見ることなく、黙って頷いただけであった。



やっと、課外授業も終わり、絵里香はいつものようにミユの席へ向かった。



「英文法難しかったね。ミユはどうだった?」


「・・・・・」


ミユは特に答えることなく、帰り支度をしていた。



「あのね・・・サツキ・・・大丈夫かな・・・」


「さぁ・・・」


ミユのつれない言葉に流石の絵里香も怪訝に思った。



「『さぁ』・・・って、だってサツキ・・昨日・・・死んじゃいたいとか、ヘンな事言ってたし・・・」


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