≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
絵里香は、サツキの言葉を聞き、ミユはサツキが無事だという事を知っていて、あの様な事を言ったのかと思った。

本気で『勝手に死ねばいい』と思っていたワケではなかったのだという事が分かり、少し安心した。


「私さ・・・今日も、もう一度、先輩の気持ち確認したくて、先輩の家まで行ったんだ。」



そこまで言うと、サツキはポロポロと昨日の繰り返しのように涙を流し始めた。

絵里香はどうしたらよいのか分からず、とりあえずティッシュを一枚サツキに渡した。



「そしたらね・・・『もう終わってるのにつけ回すなんてサイテー』・・だって・・
『ウザイ』んだって・・・わたし・・・ウザイって・・・・」



「そんな事ないよ・・・」


絵里香は何と答えていいのか分からないでいた。

こんな時、ミユが居てくれたら・・・絵里香は正直そう思った。

しかし、今のミユに相談するなど、とても考えられなかった。



「あんなに・・・ぴったりくっついて・・ぬくもり合って・・見つめ合って・・・微笑み合ったのに・・・こんなに簡単に消えちゃうモノなんだね・・・。幸せな瞬間って・・・。なんだか・・幻を見ていたみたい・・・」



サツキは、言葉の最後の方だけ、うっすらと笑った。


絵里香はサツキを心配そうに見つめることしか出来なかった。


ミユの話しで、ナイジェルとすぐに話しがしたかったが、サツキが居ることでそれが出来ない状況も、絵里香にストレスを与えた。



「だから私・・・本当に1人で居ると、私・・・何をするか分からないから・・・
エリー・・・今日、一緒に居てもいい?親にも話せないから、私1人で部屋に居ると、自分が消えることばっかり考えてしまうんだ。だから、お願い!今日は一緒に居させてくれない?」



サツキは、絵里香をすがるように見つめた。

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