≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「私は・・いいけど・・・サツキは・・私なんかでいいの?」



サツキは嬉しそうに頷いた。


絵里香は、これもナイジェルの言う『救う』という事の一つだと思い、快くサツキの願いを聞き入れることにした。


ミユとの中に亀裂が生じ、相当に傷ついた絵里香ではあったが、サツキとの距離が縮まり、今まで以上に仲良く出来た事を嬉しく思った。


サツキは、今日は絵里香の家に泊まることを、家族に連絡した。

明日は土曜日で課外授業も休みであった。



そうして、その夜の事だった。



----バンッッ!!


玄関のドアが激しく閉まる音を聞いて、絵里香は立ち上がった。

父親ならいつもチャイムを鳴らして、絵里香が扉を開けるのを待っていてくれる。



「ちょっと、待ってて。」



絵里香はサツキにそう言うと、玄関の様子を見に行った。

家に入ってきたのは父である山田であった。

山田は丁度、玄関で靴を脱いでいた。



「なぁんだ~、パパかぁ。おかえり。どうして今日はチャイム鳴らさなかったの?今ね・・・」



昼間のミユの言葉が引っ掛かってはいたが、絵里香はとりあえず平静を装った。



「絵里香、話しがある。来なさい。」



山田は、絵里香の言葉を遮り、家に上がるとすぐにリビングに移動した。

絵里香は、山田の様子から、今日はかなりピリピリしているのが伝わってきた。



「・・・どうしたの?パパ」



「座りなさい。」



山田は、絵里香に目を合わせることなく、絵里香にソファーに座るよう指示した。

こんな時は、黙って山田の言う事を聞いていた方が良い事を、絵里香は知っていた。



「絵里香・・・まさかとは思うが、確認しておきたい事が一つある。
・・・お前、空港建設について、反対の署名運動とかに関わった事はあるか。」



絵里香は、山田の言葉に心臓が凍りついた。



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