≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「もちろん、そんな話し・・・うちの親が乗るワケないよ!
自分の娘と同じ年の子を傷つけるなんて、その方が人としてやってはいけない事だ!って・・・泣きながら、その人を怒鳴ってた・・・。
だから・・娘を傷つけるって話しは・・・無くなったけど・・・
・・・でも・・・でも・・・私の中では、とても終われなかった!!
おじいちゃんを見殺しにして、うちの親にもかばってもらって・・・それでも当の本人は何事もナイように、ぬくぬくと生きてる!!
私が少し冷たくするくらい何よ・・・・それくらい・・・・そんな小さな抵抗しか・・・私には出来ないんだからっっ!!」



ミユは目を涙でいっぱいにして、絵里香を見つめた。


ミユの視線に、ずっと地面を見ていた絵里香も、ミユを見た。



「ミユ・・・ごめんね・・・。辛い思いさせて・・・ゴメン・・・。」



ミユとサツキが見つめる中、絵里香は続けた。



「でもね・・・ぬくぬくなんて・・・してないんだ・・・。
・・っていうか、出来なかったっていうか・・・。
この署名も、入学前から私が1人で集めたものなんだ・・・。」



ミユは眉をしかめた。



「どうして・・・そんな事しなきゃいけないワケ?!」



ミユの問いに、絵里香は答えた。



「この空港建設の件に、私も反対してたんだけど・・・子供が何言ったって・・パパは相手にしてくれなかった。
だからコレを思いついたの・・・。
でも・・・それも無駄だったみたい・・・。
パパは沢山の人を傷つけてる・・・。
私も、ミユも・・・ミユの家族も・・・空港建設を反対する人みんな、そして・・・自然を・・・。
それでも、パパは・・・私や会社、空港を必要としている人のために、頑張ってる・・・。
分かってる・・・。
それでも、私は・・・パパのやり方を見過ごす事は出来ないんだ・・・・・」



「どうして・・・?・・家族でしょう?」



サツキも涙声だった。

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