≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
時計を見た。
---- 8:39pm
先程、樹花の病室を出てから30分が経過していた。
その時、廊下のずっと奥から、コツコツと足早にこちらへ向かってくる、ヒールの音が聞こえた。
現れたその人は、ライトブルーのサマーコートを羽織り、髪もきちんと整えてあり、小綺麗にしていた。
恐らく、病院からの連絡を受け、お店からそのまま飛び出して来たのだろう。
顔をこわばらせながら、オレに近づいたのは、紛れもないハルだった。
オレは、ハルが到着した事に気付き、ハルがこちらへ向かってくるのをしばらく見ていたが、何も言わず、視線を目の前の窓に戻した。
そんなオレを、ハルはどう思っただろか。
ハルも特に何も言わず、オレとは違う、隣のソファーにゆっくりと座った。
お互い黙ったまま、シーン・・とした時間だけが刻まれていった。
オレは、また時計を見た。
---- 9:03pm
およそ30分ほど、お互い口をきかないままだ。
オレは、フーーーッッという溜め息をつき・・ソファーから立ち上がった。
結局オレは・・・
ハルを待ちながら・・ハルに何かを期待していただけなのだろうか・・・。
単に、おばさんが心配で此処に居るのならば、もう少し到着したハルに励ましの言葉でもかけている筈だ。
オレは、そんなオレ自身に嫌気が差して、その場を去ろうとした。
「ヒカル・・・・」
ハルに対し背中を向け、帰ろうとしたオレに、ハルは後ろから呼び止めた。
---- 8:39pm
先程、樹花の病室を出てから30分が経過していた。
その時、廊下のずっと奥から、コツコツと足早にこちらへ向かってくる、ヒールの音が聞こえた。
現れたその人は、ライトブルーのサマーコートを羽織り、髪もきちんと整えてあり、小綺麗にしていた。
恐らく、病院からの連絡を受け、お店からそのまま飛び出して来たのだろう。
顔をこわばらせながら、オレに近づいたのは、紛れもないハルだった。
オレは、ハルが到着した事に気付き、ハルがこちらへ向かってくるのをしばらく見ていたが、何も言わず、視線を目の前の窓に戻した。
そんなオレを、ハルはどう思っただろか。
ハルも特に何も言わず、オレとは違う、隣のソファーにゆっくりと座った。
お互い黙ったまま、シーン・・とした時間だけが刻まれていった。
オレは、また時計を見た。
---- 9:03pm
およそ30分ほど、お互い口をきかないままだ。
オレは、フーーーッッという溜め息をつき・・ソファーから立ち上がった。
結局オレは・・・
ハルを待ちながら・・ハルに何かを期待していただけなのだろうか・・・。
単に、おばさんが心配で此処に居るのならば、もう少し到着したハルに励ましの言葉でもかけている筈だ。
オレは、そんなオレ自身に嫌気が差して、その場を去ろうとした。
「ヒカル・・・・」
ハルに対し背中を向け、帰ろうとしたオレに、ハルは後ろから呼び止めた。