≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
開戦前夜
まだ頭に白い包帯を巻いたままの樹花を病室に1人残し、オレは病院を出た。
こんなはずじゃなかった・・・
もっと楽しい時間になるはずだった・・・
こんな重たい気持ちで病院を出ると・・・以前の記憶が蘇えってくる。
7年前・・・17才の初夏・・・ハルと別れたあの日・・・
そうだ・・・
あの時に比べれば、今回はまだ・・・まだ、やり直せる。
オレが平身低頭、謝ればいいだけの話だ。
ハルに別れを告げた時の苦い記憶が、今のオレの心の軸に、勇気の火を灯してくれている。
こういうのは、早い方がいい・・・
戻ろう
オレは、再度病院の入口に足を向けた。