≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ケータイの電源を入れると、留守電が2件入っていた。

オレは、恐る恐る、留守電の声に、耳を当てた。


『もしもし!?奥村くん!日村です。

明日伺う予定の、山田さんのお宅の絵里香ちゃんが、昨日から家に戻らないらしいの。

私も今から探しに行くけど、場合によっては、明日の訪問はキャンセルになるかも・・・

とりあえずそれだけ・・。

じゃぁ。・・・ピーーーッッ』


な~んだ・・・今日は無しになったワケだったんだ。

なんか、慌てて損した。

オレは脱力感に身を任せ、ケータイを持っていない方の腕をダラリと垂れた。



「なぁ・・・アレ・・・よくやるよなぁ・・・女子高生だろ?」


「ほんと・・・どうしちゃったんだろうね・・・」


ケータイの2件目が始まるまでの間、目の前を通り過ぎる人たちが、オレの背中側の真上にある、大型ビジョンを見て、コメントを語りながら歩いていた。

オレも目線を持て余していたので、ケータイを耳に当てながら大型ビジョンを振り返った。


瞬間、『ぶっ飛ぶ』ってこの事だと思った。


大型ビジョンに映っていたのは、紛れもない・・・

あの山田氏の娘、絵里香ちゃんと他女の子2人。

・・・それと、日村先生・・・。

当然、モザイクっぽくぼかして映してはあったが、オレにはすぐに分かった。

そして、とても見覚えのある建物の中に4人は居た。

ガラス張りの自動ドアの外から、中を映しているようだった。

大型ビジョンの見出しには、こう書かれてあった。


『中継!女子高生、ビルを占拠!!

動機は空港建設反対?!』


「はあーーーーーっっ?!!!」


同時に、2件目の伝言が始まった。


『もしもし、奥村君!!日村よ!

この伝言を聞いたら、すぐに山田さんの会社に来て!

あなたの助けが必要なの!

絵里香ちゃんが、会社を占拠したわ!・・・ピーーーッッ』


オレは、ケータイに留守電が入った時間を見た。

時間は22:06

オレがハルと2人で、色情霊に惑わされていた時間帯だった。

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