≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
病院の広い入り口の自動ドアには、向かいの空の大きな入道雲が映っていた。
オレが自動ドアに近づくと、ドアは入道雲の一番大きな所を2つに引き離した。
とても暑いこの夏の午後は、一旦外に出ると自分自身がアイスキャンディーにでもなったかのように、溶けるような汗が流れ落ちてくる。
雲を分けた自動ドアを開いた瞬間、オレはまた固形を保てる冷気を得た。
「すずし・・・」
ホッと、そう呟いた瞬間・・・
ブーーーー・・ブーーーーー・・ブーーーーー・・
オレのジーンズの尻ポケットに納めてあるケータイのバイブが鳴った。
「・・・だれ?」
また、そう独り言を呟きゴソゴソと汗ばんだ手でケータイを尻ポケットから抜き取った。
オレはケータイの着信相手の表示を見て、慌てて電話に出た。
「はい!もしもし。」