≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「先輩、愛してるって言ってくれたのに。だから、私の全部をあげたのに・・・どうして冷たくされるのか・・・分からない」
サツキは冷静に答えた
「愛してるって言われたって言ったけど、サツキちゃんは先輩を本当に愛しているの?」
「馬鹿馬鹿しい…」
絵里香が言葉を吐き捨てる
「私は…好きです、先輩が。私のすべてを託した人だから、、、」
「サツキちゃんが全てをあげた人だから愛さなければいけないし愛されて当然だと、そう思っているの?」
サツキは言葉に詰まった
「はい・・・いえ、、、分からない。だけどもう私は全てをあげたんだから…」
令子が強く割り込んだ
「あなたの全てなんてあげてないわよ。サツキちゃんはサツキちゃん、あなたのもの。確かに、あなたの心を体ごと託したのかもしれない。だけどそれはほんの一部で、ほんのひとつまみの時間。それを全てと思い込んでいるだけ。それ以上にあなたを愛し続けてきた人たちがこのビルの外であなたを待ってる。」
サツキはビルの外を見た。つられてミユも外を見た。ガラスの自動ドアの向こうに、いつもの生活を毎日を共に過ごしてきてくれた家族が悲壮な表情で立っていた。サツキの心のほつれがスルリとほどけていくようだった。途端にどこかで抑えていた家族への思いが涙となって溢れてきた。
「だからです・・・こんな惨めな私で申し訳ないって・・・。大事に育ててくれた私を簡単に捨てるような人に簡単に委ねて、傷つけてしまった。申し訳なさと情けなさで…消えたくなる…」
今度はミユがサツキの肩に手を回す
「サツキは大事な事をちゃんと解ってるよ。それだけ自分の立場を理解してれば大丈夫だよ。」
ミユはそこから令子を見て話しだした。
「先生、私の家族は…おじいちゃんは命を捨てたんです。自然のために!私はその思いを引き継がなければならない。大事な家族のために。その命を懸けた偉大な愛なら、先生も解ってくれますよね?!私たちは間違ってないですよね?!」
令子はゆっくりと答えた。
「ミユちゃん。あなたの心の強さや優しさをお爺さまはきっと誇りに思ってる。」
ミユは真っ直ぐに令子を見ていた。
「ただね、自然のためと言ってくれたけどそれは個人の思いで出来る範囲のことと出来ないことは、これから理解していかなければならないこと。」
「分かっているからこんな手段で訴えているんです。どうして私たちを説得しようとばかりするんですか?」
絵里香が口を挟む
「昔から人と自然は共存してきた。私たちが生まれるずっと前からね。自然は大抵の事は許容して、わたしたち人類の住みよいようにしてくれてる。その事に人間も敬意を払っている。だけど、やり過ぎたり自然の声を聞こえないフリをし続けるとね自然は本当はそんなことはしたくないと思いながらもバランスのため、人間の持つ知恵やチカラではどうにも抗えないその威力で自分たちの在り方を表現するの。」
令子の話しに絵里香はあの日の夢を思い出していた。全てが飲み込まれていく。全てがもう諦めるしかない場所に沈んでいく夢を再び見ていた。
サツキは冷静に答えた
「愛してるって言われたって言ったけど、サツキちゃんは先輩を本当に愛しているの?」
「馬鹿馬鹿しい…」
絵里香が言葉を吐き捨てる
「私は…好きです、先輩が。私のすべてを託した人だから、、、」
「サツキちゃんが全てをあげた人だから愛さなければいけないし愛されて当然だと、そう思っているの?」
サツキは言葉に詰まった
「はい・・・いえ、、、分からない。だけどもう私は全てをあげたんだから…」
令子が強く割り込んだ
「あなたの全てなんてあげてないわよ。サツキちゃんはサツキちゃん、あなたのもの。確かに、あなたの心を体ごと託したのかもしれない。だけどそれはほんの一部で、ほんのひとつまみの時間。それを全てと思い込んでいるだけ。それ以上にあなたを愛し続けてきた人たちがこのビルの外であなたを待ってる。」
サツキはビルの外を見た。つられてミユも外を見た。ガラスの自動ドアの向こうに、いつもの生活を毎日を共に過ごしてきてくれた家族が悲壮な表情で立っていた。サツキの心のほつれがスルリとほどけていくようだった。途端にどこかで抑えていた家族への思いが涙となって溢れてきた。
「だからです・・・こんな惨めな私で申し訳ないって・・・。大事に育ててくれた私を簡単に捨てるような人に簡単に委ねて、傷つけてしまった。申し訳なさと情けなさで…消えたくなる…」
今度はミユがサツキの肩に手を回す
「サツキは大事な事をちゃんと解ってるよ。それだけ自分の立場を理解してれば大丈夫だよ。」
ミユはそこから令子を見て話しだした。
「先生、私の家族は…おじいちゃんは命を捨てたんです。自然のために!私はその思いを引き継がなければならない。大事な家族のために。その命を懸けた偉大な愛なら、先生も解ってくれますよね?!私たちは間違ってないですよね?!」
令子はゆっくりと答えた。
「ミユちゃん。あなたの心の強さや優しさをお爺さまはきっと誇りに思ってる。」
ミユは真っ直ぐに令子を見ていた。
「ただね、自然のためと言ってくれたけどそれは個人の思いで出来る範囲のことと出来ないことは、これから理解していかなければならないこと。」
「分かっているからこんな手段で訴えているんです。どうして私たちを説得しようとばかりするんですか?」
絵里香が口を挟む
「昔から人と自然は共存してきた。私たちが生まれるずっと前からね。自然は大抵の事は許容して、わたしたち人類の住みよいようにしてくれてる。その事に人間も敬意を払っている。だけど、やり過ぎたり自然の声を聞こえないフリをし続けるとね自然は本当はそんなことはしたくないと思いながらもバランスのため、人間の持つ知恵やチカラではどうにも抗えないその威力で自分たちの在り方を表現するの。」
令子の話しに絵里香はあの日の夢を思い出していた。全てが飲み込まれていく。全てがもう諦めるしかない場所に沈んでいく夢を再び見ていた。