≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「そうしたら、その時がくるまで待てってことですか?気付けないのならみんなが被災するまでビクビクして待っていなければいけないことになりますよね。どうしてそれを分かっている人は声をあげないの?どうしてみんな分からないの?」


ミユは怒りがこみ上げてきていた


「経済や社会が絡むと人間は分かっていてもどうしても、便利なことや収入に繋がることを優先させてしまう。そういう制度にうまく乗せられて今の生活は成り立っている。分かっているようで分かっていないし、いつくるか分からない災いに怯えて不便に生きるより災いを早く知る方法を確立しながら便利な生活を望む人間のほうが遥かに多い。」


「おじいちゃんの死は無駄だったんですか?馬鹿な行動だったんですか?私は認めない!おじいちゃんは正しかった。正しさのために死んでいった人の思いを私は絶対に無駄にしたくない!先生、なんとかしてください。お願いします。」


ミユもいつの間にか泣き出していた。怒りなのか悲しみなのか自分でも分からないでいた。


「ミユちゃんの正義感はお爺様ゆずりなのね。ならばなおのこと、あなたは本当のことを知らなければならない。」


「どういう事ですか?」


「あなたのお爺様が命を懸けたのは、自然のためじゃない。」


「え…?!」


ミユがキョトンとした


「あなたのお爺様が守りたかったものは、あなたの未来よ」


「…えぇ、だから、、自然を守る事が私の未来を守ることになるから…」


「そうよ」


「…合ってますよね?!だから自然を守るためにお爺ちゃんは…」


「いいえ、自然じゃない。あなたを守りたいの」


「同じことじゃないですか」


絵里香が割って入る


「同じじゃないわよ」


令子がミユを見つめる。ミユが視線をそらす。


「気が付いた?あなたを守りたいのに当のあなたはどうなの?その体を盾に自然を守るって。お爺様の思いを無駄にしないためにミユちゃんがしなければならないこと、分かったかな。」


「だって、わたし…」


ミユの目に溜った涙がとめどなくこぼれ落ちた


「お爺ちゃん…ごめんなさい、、、」


今度はサツキがミユの背中に手をあてた


「なんなのよ、、、やっぱり、結局、、この計画を台無しにしに来たんじゃない!私は騙されない。一人になってもやり抜くから。先生なんか嫌い!出て行って!」


絵里香が激しく抵抗しはじめた

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