≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「確かに…私はとても大切なものを失ってしまった。結婚相手とは死に別れてしまったから…私は守り切れなかった」
そこまで言うと令子は少し遠くを見た。いま、令子の脳裏に誰かが映っているのだということだけ3人には分かった。
「すみません…わたし、、、」
口ごもった絵里香に令子は微笑んでみせた
「いいのよ、伝えていない事なんだから知らなくて当然。それにもう、乗り越えたから話せるようになったのよ。こうして生きていることで誰かに愛について話す日が来るなんて…自分でもなんだか可笑しい気がしてる」
令子の声はずっと変わらなかった。自信を持って優しく語る。
「愛を口にするとき、人は守ることや与えることを言うけれど」
サツキはすがるような目線で変わらずに聞いている。
「さっきも少し話したけれど、愛は奪うことも持っている。」
「愛なのに奪うんですか?」
「そう、愛だから奪うの。」
「略奪愛とか言うの、知ってます。」
サツキが口を開く。
「それとはまた別。人の恋人を奪うのではなくて、人の愛から愛を奪ってあげること。だけど、根こそぎ奪おうとしてはいけない。」
「そんな事、考えたこともない。」
絵里香が呟く。
「人はたくさんの愛情を受けたり、感じたりすると誰かに還元したくなるもの。その還元と放出がうまくできないとね、爆発するの。」
「爆発?」
サツキが問いかける
「そう。与えられるばかりで愛を溢れるほどに受けても、人の心は疲弊する。誰かを愛したり何かを愛おしく思い、そこにエネルギーを傾け使うことで初めて満たされることを知るの。そのエネルギーを傾けたい相手にそれを拒まれた時、とても傷つくけれどそれは仕方のないこと。お水が飲みたい相手に油を注いでいたら嫌がるのは本能のなすことだから。」
そこまで言うと令子は少し遠くを見た。いま、令子の脳裏に誰かが映っているのだということだけ3人には分かった。
「すみません…わたし、、、」
口ごもった絵里香に令子は微笑んでみせた
「いいのよ、伝えていない事なんだから知らなくて当然。それにもう、乗り越えたから話せるようになったのよ。こうして生きていることで誰かに愛について話す日が来るなんて…自分でもなんだか可笑しい気がしてる」
令子の声はずっと変わらなかった。自信を持って優しく語る。
「愛を口にするとき、人は守ることや与えることを言うけれど」
サツキはすがるような目線で変わらずに聞いている。
「さっきも少し話したけれど、愛は奪うことも持っている。」
「愛なのに奪うんですか?」
「そう、愛だから奪うの。」
「略奪愛とか言うの、知ってます。」
サツキが口を開く。
「それとはまた別。人の恋人を奪うのではなくて、人の愛から愛を奪ってあげること。だけど、根こそぎ奪おうとしてはいけない。」
「そんな事、考えたこともない。」
絵里香が呟く。
「人はたくさんの愛情を受けたり、感じたりすると誰かに還元したくなるもの。その還元と放出がうまくできないとね、爆発するの。」
「爆発?」
サツキが問いかける
「そう。与えられるばかりで愛を溢れるほどに受けても、人の心は疲弊する。誰かを愛したり何かを愛おしく思い、そこにエネルギーを傾け使うことで初めて満たされることを知るの。そのエネルギーを傾けたい相手にそれを拒まれた時、とても傷つくけれどそれは仕方のないこと。お水が飲みたい相手に油を注いでいたら嫌がるのは本能のなすことだから。」