≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

エンジェル現る

「私たち、、、身勝手なこと…してたんだね…」


サツキが再び外を見る。



「私たちは、人の愛に甘えていただけなんだ・・・こんな事してる私たちを・・・どう傷つけずに、救おうかって・・きっと・・そう思ってるんだ・・・」


ミユは、自動ドアのガラス越しに泣きながら立っている母親と、ジッたたずむ父親を振り返った。

その横でサツキも、自分の両親を見つめた。

ただひたすらに、警察や報道陣、その他の人たちに頭を下げる両親をみて、胸が痛くなった。


「私・・・見ようとしなかっただけなんだ・・・愛されるって・・・どういう事なのか・・・。

自分が傷ついた事に精一杯で、他の人の持つ愛に気付こうとしなかった。

こんなに沢山の人の愛を奪ってる…」



サツキは何度も何度も、潤んだ目を拭った。



「帰ろう・・・みんなのところに・・・帰って・・謝りたい・・・」


ミユも涙を流しながら、思いを言葉にした。


「な・・・何言ってるの・・ミユ・・・。

おじいちゃんの恨みを晴らすんじゃなかったの?

ミユのおじいちゃんは、死んでまで訴えたんだよ!!

空港建設反対って・・・!! なのに・・・・」



「もういいの!!

・・もう、いいの・・・

私・・・これ以上・・・傷つけたくナイの・・・

大切な人を・・・

私自身を・・・」



絵里香もガラス越しの自分の父親を見た。

山田は警察と何やら神妙な顔つきで話しをしていた。

その背中は、妙に寂しげだった。



「・・そんなに帰りたいんだったら・・帰れば・・。

私は残るから・・・。

サツキもミユも・・両親が揃ってるから・・・

お母さんがまだ生きてて、私より恵まれてるから・・・

気付かないだけなのに・・・」


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