≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「エリーだって、お父さん・・心配してるよ・・・一緒に帰ろう!」


ミユが絵里香に思い切って言った


「私だって・・・帰れるモノなら帰りたいよっっ!!

・・・でも・・でも・・ダメなんだよ・・・

私が諦めちゃ・・・

私がやらないと・・・

パパまで・・居なくなっちゃうかもしれないっ!!」



「エリー・・?!」



サツキとミユは絵里香に同時に声をかけた。

絵里香は、家から持ってきた赤いバックに残された、緑のエンジェルナンバーの本を取り出した。


「絵里香ちゃん・・エンジェルに、そう言われたの?」


「違う・・・でも・・・ママが死んだ時も・・私がやらなかったから・・・

私が『本当の事』をしなかったから、間に合わなかったんだって・・・」


令子は、何かの気配にロビーの奥に目をやった。



「・・誰?!」


ロビー奥の男子トイレから、1人の男がフラフラと現れた。

その青白い顔の男性に見覚えがあったのは、ミユだった。



「・・あれ?・・佐々木さん・・・・」



「知り合い?」



令子は、ミユ曰わく、佐々木という男から目を離さずにミユに尋ねた。



「はい・・・この人が・・教えてくれたんです・・・

おじいちゃんが亡くなる前に、エリーのお父さんに遺書を残してたコト・・・」


佐々木は、令子たちの方を見て立ち止まると、ニッと笑った。

その笑顔は力無く、不気味なモノだった。

そうして、その両手にはポリタンクを2つ抱えていた。



< 230 / 348 >

この作品をシェア

pagetop