≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「大丈夫だよ。

誰も巻き込まないさ。

キミのお父さんに、あの山は売らないと言わせたらいいだけなんだから。

それが、この地球の願いだよ。」


---- シュッ、ボッッ・・


絵里香の意志とはウラハラに、絵里香の右手はライターに火を点けていた。

それを見た瞬間、ガラス越しに集まっていた報道陣や野次馬たちは、一カ所から解放されたアリのように、散り散りに逃げ惑った。


あまりのショックに、腰を抜かしたミユの母親や、泣き崩れるサツキの母親をなんとかドア付近から、父親と警察が引き離そうとしていた。


最後まで入り口付近に残ったのは、ヒカルと山田だけだった。

山田は思わず叫んだ。


「絵里香ーーーーっっ!!

やめなさいっ!!

分かった・・分かったから・・・

ハッ・・あの・・あの山はそのまま残す!

だから、やめなさいっっ!!」



「・・ほらね。」


エンジェルはニコッと笑った。

次にスッと、絵里香の前へと移動した。

その反動で、絵里香はフラッとなった。



「絵里香ちゃんっ!!

しっかり!!

エンジェルの名前を教えてっ!!」


絵里香は、一晩中かいた汗と熱さで脱水症状を起こしていた。

意識がもうろうとする中、令子の声とエンジェルの声が交互に聞こえた。


「もう終わったんだからいいでしょ。

令子先生・・・。

アナタの負けですよ。

フフフ・・・」


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