≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ナイジェルがニッと笑った。

令子は、供養の言葉を止め、その火を救おうとした。

瞬間・・・

令子の上の方から、声が聞こえた。


「止めてはいけない。続けなさい。」


その時、落ちかけている火がとてもスローで再生されている映像のように、コマ送りになった。

辺りを見回すと、ミユとサツキは、自動ドアにたどりつき、カギを開けた瞬間で止まっていた。

その外で、辺りをキョロキョロ不思議そうに見回しているヒカルだけが、唯一普通の動きをしていた。



「これは・・・霊界の時間・・・でもなぜ・・・?」



令子の頭上から薄緑色の光を帯びた、美しい女性が下りてきた。

女性は天女のような衣を身にまとい、表情を変えずに令子の前に姿を下ろした。

雰囲気から、令子は、彼女が善霊である事は分かった。



「今を逃してはなりません。

今浄化しなければ、絵里香のような犠牲者が後を絶ちません。」



「・・・あなたは・・守護霊ですね。

しかし、ただの守護霊にしては、かなり強い霊力をお持ちだわ。」



「あなたはご存知のはず、私のような存在を。」



「もしや・・・統帥霊(とうすいれい)?!」



「そうです。私は、山田家そのものを守る守護霊です。」


令子は眉をしかめた。


「・・・だったら・・守護する者が・・何故?!

絵里香ちゃんを守らないと・・・」


それを令子から聞くと、統帥霊は静かに答えた。



「大丈夫。

この子はすでに、守られています。」

< 237 / 348 >

この作品をシェア

pagetop