≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
---- ボウッッ・・・
絵里香の手から落ちた火が、床の灯油に引火した。
その火も、やはりスローで再生されているかのように、ミミズが床を這うように火はゆっくりと伸びていった。
「せんせぇーーーーーっっっ!!!」
ガラス越しにちからイッパイ叫んできたヒカルに、令子も大声で応えた。
「奥村くん!自動ドアを手で開いて!!
カギは開いているわ!!」
ヒカルは、ほぼ時間の止まっているような、ミユとサツキがカギを開け終えたのを確認した。
ドアの中央に走り、ちからイッパイに、今度はガラスのドアを開いた。
「クッ・・・クワァアアアアアアーーーーーーーッッッ!!」
ガラスのドアを開くと、急いで中へ入り、ミユとサツキの元へ駆け寄った。
同時に令子は、供養の最後の言葉を述べていた。
「畏てナイジェル御霊、浄化し賜う。」
それを言い終えると、次に令子は、手に持っていた板きれを、たった今点いた炎の中に投げ込んだ。
板きれは、ボウッという音と共に、豪快に炎に焼かれた。
その瞬間、ナイジェルの周囲は強い光に包まれ、真っ白い世界となり、何も見えなくなった。