≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
哀しい記憶
「・・・ジェル、サージェル。」
少年がまぶたを開くと、その澄んだブルーの瞳が見えた。
その瞳に映った女性は、少年と同じ金色の髪をしていた。
その髪は長く、顔立ちもとても美しかった。
「・・・母さま・・・?」
「フフフ・・・この子ったら、寝ぼけてるのね。」
キョトンとして目を覚ました息子に、女性はやさしく微笑んだ。
女性が微笑むと、涙の形をしたブルーの耳飾りがゆらゆらと揺れた。
その耳飾りは、女性の長い金色の髪にとてもよく似合っていた。
少年は、その耳飾りがキラキラと揺れるのを、目を細めて眺めていた。
「母さま・・その耳飾りよく似合ってるね」
女性は嬉しそうに、一層微笑んだ。
「さすがサージェルね、よく気が付いたこと。
これは、父様がよくお勤め出来ているご褒美に、王様が下さった宝石だそうなの。
その宝石で、この耳飾りを作って下さったのよ。」
女性はウキウキした足取りで、買い物カゴを抱えた。
「・・はっっ!!母さま!!」
息子の声に、女性は慌てて振り返った。
「どうしたの?突然・・大きな声を出して・・!?」
「ううん…結構お腹が空いてるな…って」
「それは当然だわ。お日様はもうすぐ真上に来る頃よ。あなたがあまりにも起きないから、心配になって起こしに来たのよ。」
少年の母親は、ニコニコしながら答えた。