≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「それじゃぁ、今から空いてるかしら?それとも忙しい?」



「いえ、大丈夫です!」



恐らくオレは『NOと言えない日本人』の典型なのだろう。



このままエレベーターに乗って樹花の病室に戻り、一言謝って本当は正社員に昇格を早く知らせたかったんだと言うだけなのに。


そう、日村先生に


『あと1時間後ではどうですか?』


と、何故言わなかったのか・・・



「じゃぁ、今から私のオフィスに来てくれない?私も5時までなら時間があるの。」



「は・・・い。分かりました!急いで行きます。」



ただ今2時半を過ぎたところ。


病院から日村先生のオフィスまで電車と徒歩で40分かかる程度だ。



オレは急いで病院を抜け、出来るだけ一番早い電車に飛び乗ろうとホームへの階段を駆け上がった。



そのかいあってか、駆け上がった電車のホームにちょうど電車が到着したところだった。


オレはハァハァ言いながら、スッと開いた電車の扉の中に足を踏み入れた。


電車の中はまぁまぁ冷房が効いていたが、この暑さの中を走ったオレは、やはり溶けかけたアイスキャンディーに逆戻りしていた。


オレはあまりの暑さにTシャツをパタパタつまんで身体に空気を入れた。


ただでさえ暑いのに、オレのその動作に隣のつり革に掴まっていた中年女性でさえ、そそくさと距離をとるため隣の車両へと移って行った。



でも・・・そんなの関係ねぇ・・・・って思ってもいいよね。



暑いし!








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