≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ガイルも苦いを顔をし、隊長に尋ねた。


「それで・・・妻は何をしに城へ来たと言っているのですか?!」



「ご子息が・・・いらっしゃらない・・と・・・」



「なんですって、サージェルが・・・?!」



ガイルは、そう言ったと同時に、城門まで走り出していた。

隊長も慌ててガイルに付いて走った。

ガイルは、隊列を整えた山焼き隊の脇を、滑るように走り抜け、城門の外へ出た。

するとそこには、髪を振り乱した妻の姿があった。

ガイルの姿に気付くと、サーシアは、必死の形相で駆け寄った。



「あっ・・あなたっ・・・サージェルが・・サージェルが・・・居ないの・・・どこにもっっ!

森の中も探したの!

でも、見つけられなかった・・・

ねぇ、サージェルが見つかるまで、山に火を点けないように、王様にお願いしたいの!

お願いっっ!!

王様に会わせて!!」



サーシアは、泣きながらガイルにしがみついた。



「サーシア!!

サーシア!落ち着きなさい!

私は昨日、サージェルを森へ捜しに行ったから、大体の居場所は分かる!

私も山焼き隊と同行する事にする。

そして必ずサージェルを見つけて連れ帰る!!

だから、お前は家へ戻りなさい。

陛下に会うなど・・馬鹿な事を考えるのではない!

分かったね!」



ガイルは、優しく妻の頬をつたう涙を拭った。

サーシアは、その青く澄んだ瞳で夫を見つめた。


---- ザッッ・・


整列して立っていた兵隊たちが、突然地面にひれ伏した。


< 245 / 348 >

この作品をシェア

pagetop