≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「こんな使えん奴を隊長にするなど、・・ガイル・・お前も落ちたものだ・・」



ガイルに剣を向けたまま、王は言い放った。

隊長の首元から流れ出たおびただしい量の血が、ガイルの足下まで伸びてきた。


---- ドンドンッッ、ドンッ、ドンドンッッ・・



城門の勝手口を叩く音がした。




「何事だ!!騒がしい!!」



王は低い声で怒鳴った。



「陛下・・陛下・・・お願いします・・・・」



城門の外がから、女性が何かを訴えていた。

ガイルはその声が、すぐに妻のサーシアである事が分かった。

ガイルが扉へ向かおうと立ち上がったが、王がそれを制した。



「開けてみよ。」



王が一言そう言うと、城門の通用口が開かれた。

案の定、中へ入って来たのはサーシアであった。



「陛下!夫を責めないで下さいませ。

夫ガイルは、息子が居なくなり、取り乱した私を諫めるため、やむなくここへ来たのでございます。

罰は、私が受けます!

どうか、ガイルを・・責めないで下さいませ・・・。

お願い致します。」



サーシアは、王の乗った馬の足下で、地にべったりと頭をつけ懇願した。



「サーシア!やめなさい!!陛下に無礼であるぞ!!

陛下・・・私が至らぬばかりに、妻にこのような行動をさせてしまいました。

妻はすぐに帰らせます!

罰は私が受けますゆえ・・・なにとぞ・・・妻をお見逃し下さいませ・・・。」



ガイルは喉を詰まらせたように、王に訴えた。


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