≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
王は持っていた剣の先を、今度はサーシアに向けた。

ガイルは、サーシアを覆うように肩を抱いて王を見た。


「陛下・・どうか・・ご慈悲を・・・」



「ガイルの妻、・・サーシアとやら、面を上げよ。」


サーシアは、ガイルに添われながらも、ガクガクと身を震わせながら、ゆっくりと王を見上げた。

ギラリと光る王の眼光の鋭さに、サーシアは、王からすぐに目を反らした。

サーシアの恐怖は、一層深さを増した。

サーシアもガイルも、もう何も言う事が出来ないでいた。

何かを言う事で、王の剣がいつ自分たちを切り裂くか分からなかった。



「ガイルよ・・・・」



「・・はっっ!」


ガイルは、額から流れ落ちる汗をぬぐえず、その雫を地面にポタポタと落としていた。



「私は待つ事が好かぬ。

それをお前たちのせいで、その好かぬ事を強いられようとしている。

もう、陽がほとんど沈んでおる。

沈んだのと同時に、森が明るくなるのを見たかったのだ。

その明るく焼けた森の跡には、もう一つ城を建てる予定だ。」



「はっ・・。

・・存じております・・。」



「それがどうだ。

おまえごときの分際に、それを邪魔されているのだ。

私の怒りが分かるな、ガイルよ。」



「陛下・・・私は、どんな罰でも受けますっ!

妻だけは・・お見逃し下さい!!」



「もう一つ、気に入らぬ!」


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