≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「息子は、森におるのか。」



「お・・・恐らく・・・居ります・・・」



「山焼きを待てというのなら・・・待ってもよいぞ。」



サーシアは、王の意外な発言に顔を上げると、王は不敵な笑みを浮かべていた。



「誠にございますか?!」



「誠じゃ。

ガイル、そなたは息子を捜しに行け!」



「はっ・・・ははぁ・・・。

・・サーシア、立つのだ・・・」



2人は立ち上がり、共に城門の外に出ようとした。



「誰が帰ってよいと言った。」



王の低い声が2人の背中に響き渡った。



「陛下・・・」


ガイルとサーシアは、怯えながら王を振り返った。



「わしは、待つのは好かぬと言ったはず。

おまえが息子を捜す間、わしも何か楽しみがなければつまらぬ。

女は置いていけ。」



「へ・・・陛下・・・それだけはご勘弁をっ!!」



ガイルは、馬にまたがる王の足にすがった。



「では、山焼き隊を今すぐ出発させるだけのこと。」



「お待ち下さいっっ!!

お待ち下さいませ・・陛下・・・。

あなた・・・私は・・残ります。」


< 251 / 348 >

この作品をシェア

pagetop