≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「こんな所で・・くたばる私ではないわ・・・。

サージェル・・・サーシア・・・我が愛する家族・・・。

必ず・・・守ってみせる・・・

そのためにも・・・私は死なんっっ!!」



---- バサッッ!!


ガイルは、素早く剣を抜き、初めに飛びかかってきた一頭を、斬り落とした。



「ワウォーーーーーーン・・・」



遠くにいる、一頭のオオカミが吠えると、ガイルの周りに居たオオカミが、次々と襲いかかってきた。


---- グサッッ・・ドサッッ・・バサッッ・・・


ガイルは時折返り血を浴びながら、次から次に飛びかかってくるオオカミを斬ったり、突いたりした。

ただひたすらに・・・愛する家族の事だけを思い・・・斬っていた。


どれだけ斬っただろうか・・・

残った数頭は、ガイルが近寄ると、その気迫だけで後ずさりをし、山奥に戻って行った。



---- ガラーーーンッッ・・


ガイルは、血でべっとりとした剣を地面に落とした。

そうして、フラフラと湖の奥の洞窟へと歩いて行った。





「やったーーーっっ!!

産まれた!産まれた!!

よく頑張ったね!

・・赤ちゃんは?!

赤ちゃんは大丈夫かな・・?!」



サージェルは、長い間、逆子のため産道に居た子鹿が、ちゃんと生きているか心配だった。

母鹿は、子鹿を包んでいる膜を舌で舐めて、綺麗にした。

すると、子鹿は黙ってその頭を上げた。


< 257 / 348 >

この作品をシェア

pagetop