≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
カフェに入ると、丁度奥にあるソファー席が空いていた。


1人で入る時は、その席が空いていてもなんとなくそこには座りづらく、オレとしてはずっと座ってみたい憧れの席でもあった。


日村先生は迷わず、その席に突き進んで行った。


オレも先生と距離が離れないように、足早に進んだ。


日村先生がサイドの赤い1人掛け用のソファーに座った。


オレに残されたのは、2人掛け用の同じく赤いソファーだった。



「・・・オレ、そっちでいいですよ。」



先に1人用に座られてしまい、今更モジモジ立ち尽くすのも格好悪いが、一応目上の人への配慮だけは忘れないでいるつもりだ。



「いいの。私こっちの方が落ち着くから」



「・・・じゃぁ・・・」



そう返事して、座り心地の良さそうなソファーに腰を下ろそうとした瞬間、



「私、アイスコーヒーとクロワッサンサンドのハムチーズと卵の2種類ね。あとレモンケーキお願い。」


と、言うとテーブルの上に2千円をスッと置いた。スッと。



「・・・え?えっと、アイスコーヒーとクロワッサンサンドのハムチーズと卵とレモンケーキ・・・ですか?」



「そ!奥村くんはお腹減ってない?」



爽やかに微笑む先生。



「いえ、お腹は大丈夫です。」



オレはニッと顔半分だけで笑い返した。



「じゃぁ残りの分で奥村くんの好きなの頼んで!」



の言葉にいつもレギュラーコーヒーしか飲まないオレも、久々、注文カウンターの上に掲げられているメニュー表を見つめた。



へぇ~・・・こんなに種類あったんだ・・・

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