≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「そう・・僕はナイジェル・・・
僕にはやらなければならない事がある。
こんな所で、浄化なんかされてたまるものか!」
ナイジェルはもがいた。
白く包んだ光は、ナイジェルを捉えて離さなかった。
「僕が、間違ったこの世界を救うんだ。
父さまや、母さまのように・・・強い心で・・・
僕が・・・」
「サージェル・・・サージェル・・!」
動けないでいるナイジェルの目の前に、母親が現れた。
金色の髪をなびかせ、何かを見ながら、母親はにっこりと笑っていた。
ナイジェルが、母親の視線の先を追うと、そこには父親と、まだ幼い自分が居た。
「父さま?・・母さま?
・・・何をしているの?!」
ナイジェルの言葉は、彼らには聞こえていないようだった。
まだ5,6才くらいの年のサージェルが、木の根本で、父親と何かを埋めていた。
サージェルは、グスグスと泣いていた。
ナイジェルは、遠い記憶を呼び起こしていた。
「あれは・・確か・・・怪我した小鳥を、猫が襲って殺してしまったんだ・・・」
「あのネコ・・・絶対に許さない!
もう少しで、また飛べるようになったのに・・・
グスッ・・グスッ・・・
食べるんでもなく・・・
逃げ回る小鳥を、動かなくなるまで転がして遊ぶなんて・・・
ヒドすぎるよ!
僕が、あのネコを捕まえて・・グスッ・・
思い知らせてやるんだ・・・」