≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
幼いサージェルは、地面にポタポタと涙をこぼしながら、父に、悔しい思いを打ち明けていた。



「サージェル・・・そんな事をしてはいけない。

復讐は、新たな悲劇を生むだけだ。」



サージェルは、父親を強く見た。


「どうして?!

悪い事をしたら、その罰を受けるのは当然でしょ?!

どうして罰を与えてはいけないの?!」


ガイルは、サージェルの肩に手を置き、ゆっくりと答えた。


「いいかい、サージェル。

罰とは、本来人間が下すモノでは無いんだ。

神様がちゃんと、その者にとって必要な罰を、お与えになる。」



「そんなの分からない!

神様は慈悲深いから、許すかもしれないよ!

それでもいいの?!」



ガイルはニッコリと笑った。



「それでもいいんだ。」



「どうして・・?

父さまなんか嫌いだ!

悪い奴の味方なんてして・・・!」



サージェルは、後ろに立っている母親の元へ駆け寄った。



「困った子だ。」


そう言いながらも、ガイルはサージェルを優しい眼差しで見つめた。



「母さま、母さま・・・

父さまが、ネコに罰を与えてはいけないと言うんだ。

悪い事をしたんだから、罰を与えてもいいよね!?」



サージェルは、母親にしがみついて、思いを訴えた。


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