≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「サージェル・・・
父さまと母さまの願いはね、ただ一つなの。」
母親が優しく答えた。
「・・・願い?」
「そう・・・願いよ。」
「・・なぁに・・?」
「それは、お前が幸せでいる事だ。」
今度はガイルが答えた。
「幸せ?!
・・・幸せって・・何?」
「あなたが・・・
あなたの心が・・・
いつも穏やかな時を過ごしていることよ。」
「おだやか・・?」
「そうだ。
サージェル。
復讐や、罰を与える事に心が傾くと、心は穏やかな時間を過ごせなくなるんだ。
いつも、その事にばかり気を取られ、その事に囚われる時間を過ごす事になるんだ。
私たちは、おまえに、そんな心の過ごし方をして欲しくないんだよ。」
「可愛いサージェル・・・。
愛しい子・・・
どうかあなたの心が、何者にも囚われず、穏やかでいられますように・・・・」
母親は、幼いサージェルをギュッと抱きしめた。